三井住友信託銀行入りはダイナースクラブカードにとってプラス

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ダイナースクラブはようやく腰を落ち着かせることができる日系金融機関の傘下になりました。

2015年にダイナースクラブカードはシティカードジャパンから、三井住友信託銀行傘下に入りました。

シティカードジャパンの親会社はシティグループジャパンであり、シティグループジャパンの親会社は米シティグループですから、以前のダイナースクラブは事実上外資系金融機関の運営だったのです。

それが三井住友トラスト・ホールディングスの子会社である三井住友信託銀行の子会社として、三井住友トラストクラブがダイナースクラブカードを運営することになりましたから、ダイナースクラブカードの運営は完全に日系企業となったわけです。

リーマンショック前後から、シティグループジャパンをとりまく金融機関は大きく変貌をとげてきました。

シティグループジャパンは、リーマンショック前は法人から個人まで幅広く業務を手がけていましたが、リーマンショックを契機に法人向けの証券業務を行っていた日興シティ証券は分離しました。

そして個人向けを行っていた日興コーディアル証券も、米シティの方針に沿った営業がうまく行かず、個人向け営業は日興コーディアル証券がやっていた昔ながらの日本型営業に戻したのです。

そして日興コーディアル証券は三井住友フィナンシャルグループ傘下にはいり、SMBC日興証券となりました。

その後、シティグループジャパンはシティバンク銀行という個人向けの銀行も手放すことになりました。これも三井住友フィナンシャルグループが取得しました。

そしてクレジットカード事業のシティカードジャパンは三井住友信託銀行(三井住友トラスト・ホールディングス)が取得し、三井住友トラストクラブとなったのです。

私はこれはとても良い買い物だったと思っています。

なぜならクレジットカードの信用やステータスといった価値は一朝一夕にできるものではないからです。

日本においてはダイナースクラブカードというのは私の親の世代から存在しているくらい長いものです。

JCBザ・クラスはまだ歴史が浅くダイナースほど知名度がありません。またアメックスは親会社が外資の金融機関であるため、完全に日系企業ではありません。

そしてこのダイナースクラブを三井住友信託銀行が取得できたのも、三井住友信託銀行のトップダウン型の意思決定の早い経営があったからだと思います。

三井住友信託銀行は住友信託銀行と中央三井信託銀行が合併して誕生しましたが、行風としては住友信託銀行を引き継いでいます。

別の金融グループである三井住友銀行も同じくトップダウン型経営ですが、これも旧住友銀行と旧さくら銀行が合併した際に住友銀行の行風を受け継いだからです。

だからこそシティグループジャパンが個人向け銀行業を売りにだすときに素早く名乗りでたのだと思います。

これが三菱グループだと細かく合議をしつつ意思決定していくボトムアップ型なので、素早く買収を名乗り出ることが難しかったでしょう。

このとき、三井住友フィナンシャルグループと、三井住友トラスト・ホールディングスという、同じ”住友”の名前が入った金融機関が揃って手を上げたのは偶然ではありません。やはり住友系の企業は意思決定が早いというのは共通です。

三井住友フィナンシャルグループは三井住友VISAカードのように知名度の高いクレジットカード事業を既に持っています。そのため、競合するダイナースクラブよりは、シティバンク銀行という預金業務を買い取ろうと手を上げたのだと思います。三井住友銀行は経費が少ないため利益率ではみずほ銀行を超えていますが、預金残高ではまだみずほに及ばないため預金業務が欲しかったのでしょう。

一方で三井住友トラストホールディングスでは住信SBIネット銀行という知名度の高い個人向け預金業務はありましたが、クレジットカードについては三井住友フィナンシャルグループほどではありませんでした。

そこでダイナースクラブを、シティグループジャパンから買い取ることは利益があったのだと思います。

信託銀行というのは日本特有の業態です。信託銀行が普通の商業銀行と何が違うかというと、信託銀行はどちらかというと富裕層向け業務をメインにしています。

信託銀行の支店はどこでも見かけるほど多くありません。都内でもターミナルのような大型駅や、地方でも新幹線が停まるような都市部にのみ支店が集中しています。

つまり支店数や口座数で勝負するより、富裕層にニーズのあるものを揃えているのが信託銀行です。

例えば不動産信託、遺言信託、証券代行、年金運用、銀行業務、まさになんでもやっています。とくに余っている土地を信託して管理維持は信託銀行に完全に任せ、ロイヤリティを受け取るのはまさに富裕層向けサービスと言えます。

信託銀行にとって重要なのはありとあらゆるラインナップを揃えていることです。個人顧客の相談があったときに、それは不動産信託をするのか、自社グループの投資信託で運用するかなど様々な選択肢があったほうがいいのです。

そこで、富裕層向けのクレジットカードサービスを拡充していきたいという点からするとダイナースクラブカードはぴったりだったのでしょう。

今まで三井住友フィナンシャルグループの三井住友VISAカードに匹敵するほどの知名度があるクレジットカード事業を持っていなかったものの、ダイナースクラブを手に入れることで一気に追いついたわけです。

ダイナースクラブはシティに保有される以前は転々としてきました。ようやくサービスの拡充が期待できる落ち着いた状況になってきたと、私は三井住友信託銀行入りを歓迎しています。

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