平成14年度 行政法 国家総合職

問題

法律の留保に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1 行政が私人の自由と財産を侵害する行為についてのみ法律の根拠を必要とする侵害留保説は,自由主義的イデオロギーに奉仕するものである一方で,実質的には国家の広範な活動を認めるものであるが,明治憲法下において通説となった見解であった。

2 行政の民主的コントロールを重視する権力留保説からは,非権力的行為であっても授益性の高い行政作用については法律の統制の下に置く必要があるとされ,補助金の交付,福祉活動・文化活動の実施についても,それが国費の支出を要するものである限りは法律の根拠が必要である。

3 自由主義とともに民主主義をその重要な憲法原理とする日本国憲法下においては,権力的行政作用は国会のコントロールの下に置かれるべきであると解するのが通説であり,実際にも,このような権力留保説の考え方が行政において徹底されている。

4 相手方の抵抗を排して実力を行使するような行政調査については,侵害留保説によっても権力留保説によっても法律の根拠が必要とされるが,相手方の任意の協力を待って行われる行政調査については,侵害留保説では法律の根拠は不要であるとされるが,権力留保説では法律の根拠が必要であるとされる。

5 自由主義的イデオロギーを重視する侵害留保説によっても,民主主義的イデオロギーを重視する権力留保説によっても,権力的行政作用については,その要件と効果について,法律で定める必要があるとされる。

解答

1