平成16年度 行政法 国税専門官

問題

行政裁量に関する次の記述のうち,判例に照らし,妥当なのはどれか。

1 土地収用法における補償金の額は,通常人の経験則及び社会通念に従って,客観的に認定すべきものであって,補償の範囲及びその額の決定について,収用委員会に裁量権が認められるものと解することはできない。

2 都道府県知事が行った児童遊園設置認可処分が個室付浴場業の営業を阻止することを直接の動機,主たる目的としてなされたものであることが明らかである場合,当該処分は行政権の著しい濫用によるものとして政治的,道義的に非難されることはあり得るが,違法とまではいえない。

3 外国人の在留期間の更新事由が概括的に規定され,その判断基準が特に定められていないのは,申請事由の当否や当該外国人の在留中の行状など判断すべき項目が極めて明確であるからであり,法務大臣の裁量に任せる趣旨ではない。

4 旧清掃法に基づくし尿浄化槽内汚物取扱業についての不許可処分が,その申請者において申請地域外の汚物をも取り扱っているため,他地域の汚物が申請地域の汚物処理場に持ち込まれるおそれがあり,また,申請地域の汚物の処理には既に許可を得ている業者だけで十分であるなどの事情を考慮してされたものである場合,それにより従来許可を要しないとの取扱いのもとでし尿浄化槽清掃に従事していた申請者の営業実績が無に帰することになったときは,当該不許可処分が裁量権の範囲を逸脱したものとなる。

5 裁判所が,懲戒権者の裁量権の行使として行われた公務員に対する懲戒処分の適否を審査する場合は,懲戒権者と同一の立場に立って懲戒処分をすべきであったかどうか又はいかなる処分を選択すべきであったかについて判断し,その結果と当該処分とを比較してその軽重を論ずべきものである。

解答

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