平成17年度 行政法 国家一般職

問題

「法律による行政」の原理に関するア~工の記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア 封建時代の統治団体や近世の専制国家では,領主・君主などの権力者が布告・布令・勅令などの形式で一方的に法規を制定し,これを自ら執行するとともに,自己の裁判所で裁判することになっていたことから,既に「法律による行政」の原理が行われていたといえる。

イ 「法律による行政」の原理の一側面である「法律の留保」の原則とは,およそ行政の活動は法律の根拠に基づかなくてはならないことを意味する。この「法律による留保」の原則の適用範囲については,意見の対立があり,我が国の最高裁判所は,国民の自由・平等にかかわる本質的な事項については法律の留保を要するとする本質事項留保説に立つことを明らかにし,法制実務もこの説に依拠している。

ウ 「法律による行政」の原理の一側面である「法律の優位」の原則とは,行政活動は法律に違反するものであってはならず,また,行政措置によって法律を実質上改廃,変更してはならないことを意味し,権力的行政活動であると非権力的行政活動であるとを問わず,また,国民に不利益を課す作用であると与える作用であるとを問わず,等しく適用される。

エ「法律による行政」の原理と「法の支配」の原理は,共に公権力の行使に対する法的統制の原理としての共通性を持つが,「法律による行政」の原理は,立法権と行政権との関係を念頭に置いて,国民代表機関である国会の制定した法律に行政を従わせることを狙った原理であるのに対して,「法の支配」の原理は,市民社会を支配し,司法裁判所によって形成・運用される判例法・慣習法等を含めた広い意味での法が行政活動をも支配することを意味する。

1 ア イ

2 ア ウ

3 ウ エ

4 イ

5 エ

解答

3