経営学の勉強方法

公務員試験における経営学はマイナーな科目です。出題されるのは特別区、国家一般職、国税専門官くらいです。

経営学とは、企業でどのような組織を採用するのか、権限の付与はどうするのか、命令系統はどうするのかなどを体系的にまとめた学問です。経営学の特徴は学問から成長しているのではなく、民間企業のノウハウという、それを整理体系化したものです。

だから経営学というのは少し学問としては低くみられます。とても雑多であり、理論的にすっきりしていないので、重複が多いですし明確な定義がない概念が多いです。

そのため経営学というのは、難易度が高い問題だと出題が安定しません。特別区のように基本的で簡単な問題なら満点が狙えるのですが、少し難しいものを出題しようとすると、殆どの人が見たことのない問題に出くわします。

例えば公認会計士試験の例を出します。公認会計士試験には選択科目があり、その選択科目の中でも経営学は群を抜いて人気です。他に統計学、経済学、民法などがありますが、一番とっつきやすい経営学を選ぶ人が最も多いのです。

経営学を選択するメリットは短期間でそれなりの点数水準まで到達できることです。素直な問題がでてくれれば経営学の選択でベストなのですが、少し奇問がでると全く太刀打ちできなくなります。

経営学は全ての範囲をカバーして勉強するということが不可能な科目です。一方で法律系の科目というのは全ての範囲のカバーが可能です。なぜなら条文数は有限なので、たとえ民法のように1000以上の条文があったとしても上限はあるので、全範囲をカバーする勉強が可能です。ですが経営学ではそういった勉強が不可能です。

センター試験でいえば、経営学は現代社会に近いです。現代社会は無勉強でもそこそこの点数がとれるのですが、高得点や満点を取るのは極めて難しいです。一方で政治経済は、無勉強で臨むと点がとれないものの、しっかり勉強すればその勉強した分だけ点数として必ず結果がついてきます。やっただけ報われるわけです。ですが経営学は「やっただけ報われる」という科目ではありません。知ってる分野がでるかどうか、運の要素が大きいのです。

経営学は民間の組織の学問であり、主に米国の大企業で発達してきたものです。経営学の公共機関バージョンが行政学ということになります。実は経営学と行政 学とは表裏一体のような学問であり、重複が多く、経営学を勉強するなら行政学もやっておいたほうがいいです。米国では経営学が発展してから公共機関がそれ を輸入するという流れでしたが、ドイツでは公共機関の行政学が先に発達して、民間がそれを輸入して経営学になったという流れであり、米国とドイツでは順序 が逆です。主に経営学といえば米国経営学のことを指し、日本の公務員試験においてはさらに日本の企業における経営がどうなっているかという問題がでます。 ドイツにおける経営学はたまに出題されるくらいであまりでません。

私は特別区に限れば経営学はとても良い選択だと思っています。なぜなら簡単だからです。しかも5問もでるので対費用効果も抜群です。逆に都庁の記述として経営学は選択しないほうが良いと思います。完全に知っている分野が出ればいいですが、そうでないと合格はおぼつかなくなります。都庁の場合は一応経営学を勉強しておいて、確実に取れそうな問題が出たら解答するくらいのノリでいいと思います。最初から「絶対経営学は解答する」という決め込みはしないほうが良いです。

勉強の順序

経営学は前述したように行政学との重複が多い科目です。できれば行政学を勉強したあとに経営学を勉強したほうが良いです。なぜなら行政学の方が学問として綺麗で完成されており、しっかり自分のものになる学問だからです。

そして行政学を勉強するにはその前提として政治学の知識が必要になります。よって私は政治学→行政学→経営学の順番での勉強をすすめます。

公務員を目指してない人にもおすすめな理由

本サイトでは公務員試験の問題を掲載しているので、公務員を目指している人には有意義なので勉強する意義はもちろんあります。

それに加えて、私は公務員試験を受けない人に対しても経営学の勉強をすすめます。

経営学という科目が国家資格にあるのは、他には公認会計士の選択科目くらいです。極めて勉強する機会が少ない科目であると言えます。

また情報系の国家資格としてITストラテジストという資格や、簡単なものだとITパスポートという資格がありますが、それらの「ストラテジ」という問題区分においては経営学が出題されます。情報系の資格を受ける人は電気・電子・通信・情報工学などをやってきた理系な人が多いので、この経営学の問題を不得意にしている人が多いのです。難易度としては公務員試験の経営学よりも範囲は広めですが難易度は低いので、公務員試験の過去問題がレベル的には最適でしょう。

ちなみに公認会計士の経営学については公務員試験の経営学では全然足りません。もっとしっかり勉強刷る必要があります。

また経営学を英語でいうとBussiness Administrationであり、これはMBAのBAの部分を指します。つまりMBAとは経営学の修士号ということです。

金融機関にはコーポレートファイナンスという職種があり、それをさらに実務に特化して細分化したものにM&AやIPOなどの分野があります。こういった分野に興味があり将来仕事として考えてみたい学生や、社会人などにも経営学はおすすめできます。バイアウト、株式公開買付け、MBO、レバレッジドバイアウト、こういった用語に詳しくなりたい人にも向いています。