平成20年度 人文科学 裁判所一般職

問題

各国の税制に関する記述として最も適当なのはどれか。

1 イスラーム法において,人頭税はジズヤとよばれ,地租であるハラージュとともにユダヤ教徒・キリスト教徒といった非イスラーム教徒の成年男子に課せられた。これはウマイヤ朝を打倒したアッバース朝が非イスラーム教徒の地域まで領土を拡張するために創設したものである。

2 イギリスがインドのベンガル地方などに導入した地税徴収制度はザミーンダーリー制度とよばれた。これによってザミーンダールとして土地所有を認定された者は地税を納入する責任を負わされたが,それと同時にこの制度は,土地売買を禁止するなどして農民の没落を防ぐ意味をもっていた。

3 明代後期から清代初期に行なわれた税制である一条鞭法は,土地税と人頭税を現物で納入する従来の両税法が複雑であったことから,これを一括して銅銭で納入する方法に簡素化したものであった。この制度の制定は当時,銅銭が豊富に存在していたことに起因していたが,それは銅銭が日本にまで大量に輸出されていたことからもうかがえる。

4 ドイツ関税同盟は,プロイセンとオーストリアとが中心となって結成され,加盟国間の関税を撤廃し,自由通商を行なうことを約した。これによって政治的に分裂していたドイツが,大ドイツ主義のもと経済的に統一されることになった。ただ政治的な統一の機運も高まったが,その実現までにはまだ紆余曲折があった。

5 イギリスは七年戦争や帝国再編のための財源を確保するために,北アメリカ植民地において公文書・証書・新聞・パンフレットなどの刊行物に本国発行の印紙を貼ることを義務づけた印紙法を成立させた。これに対して植民地側は,「代表なければ課税なし」 の論理をかかげ,本国製品の不買運動を組織するなど激しく反発したため,この課税は撤回された。

解答

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