平成21年度 人文科学 国家一般職

問題

20世紀前半の世界恐慌とその影響に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1 アメリカ合衆国は,1929年のニューヨーク株式市場での株価の暴落から,深刻な不況に襲われた。この間,企業の倒産が一挙に進んで工業生産は急落したが,農業生産は堅調に拡大し,金融機関の経営の健全性も確保されていた。

2 英国では,世界恐慌の影響で失業者が大量に発生したため,ワグナー法によって労働者の権利を保護し,労働組合の発展を促すことで社会の混乱を収拾しようとした。外交面では,ラテンアメリカ諸国をスターリング=ブロックに組み入れる外交政策を行って経済の回復を図った。

3 ドイツでは,ナチ党が第一次世界大戦後に結成された。結党時には,ヴェルサイユ条約破棄や人種差別主義などの同党の過激な主張が国民の圧倒的な支持を獲得した。しかし,世界恐慌によって社会不安が広がると,国民は政治の安定を求めるようになり,ナチ党は解党の危機に瀕した。

4 フランスは,植民地や友好国とフラン通貨圏を築いて経済を安定させようとした。国内の政局は不安定であったが,極右勢力の活動などで危機感をもった中道・左翼が結束して,1936年にはブルムを首相とした反ファシズムを掲げる人民戦線内閣が成立した。

5 ソビエト連邦では,世界恐慌の影響により工業生産が恐慌前の約半分の水準まで低下した。この危機を乗り切るため,レーニンは国有化政策を緩め,中小企業に私的営業を許すとともに,農民には余剰生産物の自由販売を認める新経済政策(ネップ)を行った。

解答

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