平成6年度 国際関係 国家一般職

問題

勢力均衡に関する記述のうち,妥当なものはどれか。

1 英仏百年戦争終結後に結ぼれたウェストファリア条約以来,ヨーロッパにおける外交の原則となったものが勢力均衡(バランス・オブ・パワー)である。勢力均衡体系では,国家の主権平等を前提とし,それぞれの国家が世界全体を支配するよう覇権を求めて競争することが相互に認められている。

2 1789年にフランス革命が起こると,ヨーロッパの君主国とフランスの革命政権との戦争が拡大した。ナポレオンの敗退後,ウィーン会議の議定書で勢力均衡による国境線の確定が行われ,ヨーロッパの国際関係は1805年以前の「旧体制」に復帰することが定められた。

3 ウィーン体制が崩壊すると,プロイセンはオーストリアとフランスを戦争で破り,ドイツ統一を達成した。この現状打破政策をとるドイツに対し,イギリス,フランス,イタリア,ロシアなどドイツ以外の諸国は同盟を組んで対抗し,ここにドイツの「栄光ある孤立」に基づいた「新しい勢力均衡」が生まれることになった。

4 ヨーロッパの伝統的勢力均衡外交が第一次世界大戦を防止できなかったとの反省から,国際組織による平和維持という主張が生まれることになった。ロシア革命によって権力を握ったレーニンは,その14カ条演説で勢力均衡に代わる国際組織の設立を訴えたが,これに英仏が賛同したために国際連盟が発足することになった。

5 第一次世界大戦後の勢力均衡を崩したのがドイツにおけるヒトラー政権である。ヒトラーはラインラントへの軍事進駐,エチオピアへの侵略,さらにオーストリアの併合などの領土拡張を繰り返したが,チェコのズデーテン地方の帰属を巡るミュンヘン会談が決裂すると,ドイツはポーランド侵略に転じ,第二次世界大戦が始まった。

解答

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