平成10年度 国際関係 国家一般職

問題

国際社会の形成に関する次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 中世ヨーロッパにおける教会の普遍的権威がしだいに解体してしく過程で,主権国家は誕生した。ウェストファリア体制とも呼ばれる近世ヨーロッパに生まれたこの主権国家体系においては,その秩序は勢力均衡原理にゆだねられたため,国家間の関係は激しいイデオロギー対立を伴うのが常であった。

2 近世ヨーロッパにおいて主権国家体系が確立していく過程は,近代国際法がしだいに形を整えていく過程でもあった。近代国際法は当初はヨーロッパ諸国にのみ妥当する秩序と考えられ,非ヨーロッパ諸国が近代国際社会の一員として完全に認知されるためには,近代的法典・行政制度の整備など文明国としての標準を満たすことが要求された。

3 近代以前の東アジアにおける国際秩序は,儒教原理に基づいた華夷秩序と呼ばれるものであった。この華夷秩序においては,国際社会の構成員は基本的には対等であることが認められ,国家は国家であるがゆえに平等とされる国家平等原理が支配していた。

4 フランス革命の勃発は多くの民族にナショナリズムの精神を鼓吹したため,ヨーロッパ各地で、新たに国民国家が次々に誕生した。こうした新興国民国家の代表はウィーンに結集して,相互の連帯と人権の普遍性をうたいあげた共同宣言を採択した。ウィーン体制と呼ばれるこの国際会議に基づく秩序原理は,その後のヨーロッパにおける国際協力の先例になった。

5 アメリカは独立以来ヨーロッパの紛争に巻き込まれることを好まず,いわゆる孤立主義が支配的であった。このためアメリカは第一次世界大戦に遅れて参戦したものの,ウィルソン大統領はイギリス,フランスから提唱された民族自決原理の採用を執拗に拒んだため,第一次世界大戦後の国際秩序を著しく不安定にさせた。

解答

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