平成14年度 国際関係 国家一般職

問題

国民国家の形成に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1 現在の国民国家体系の起源は,17世紀に成立したウェストファリア・システム(西欧的国家体系)といわれる。この体系は,主権国家の概念,国際法の原則,勢力均衡の政治により特徴付けられる。主権は国民国家の重要な要件であるが,人々の国民意識を背景とする国家が形成されるのは, 19世紀になってからである。

2 同化政策とは,近代国民国家の社会統合政策の一形態であり,1文化,1言語,1民族を基礎とした安定的な同質的国民国家を理想的な形態とする前提に基づいており,19世紀以降,世界的に国民国家形成が行われた際に多く採用された。同化政策により言語の統一や国民的英雄像の形成などがもたらされたが,第一次世界大戦後,国際連盟が同政策を強く非難したため,採用されることはなくなった。

3 ウィルソンやレーニンらが,第一次世界大戦後の国際体制を構築するために民族自決原則を掲げた。パリ講和会議では,民族自決原則に基づいて東欧諸国を中心に独立が認められた。しかし,アジア・アフリカ地域における大半の植民地の独立は,第二次世界大戦後まで待たなければならなかった。

4 19世紀以降の帝国主義の時代には,帝国主義諸国による支配領域の設定が行われた。アフリカでは,帝国主義諸国による人為的な線引きが多く行われたため,現地の人々の生活空間を分断する形で植民地が形成された。植民地の人々は独立するに当たり,帝国主義支配下の境界線をそのまま継承することに抵抗し,ほとんどの国が新たな境界線を設定することにより国民国家の建設を進めた。

5 植民地の独立は現在ほぼ完了し,国民国家が国際関係の主要な主体となった。しかし,多くの国民国家ではエスニック集団による分離独立の動きが見られ,国民国家形成の原動力であった民族自決原則が国民国家を分裂させる場合が見られるようになった。このようなエスノ・ナショナリズムの動きは,ほとんどが発展途上国に見られる現象であり,先進諸国はこの問題に直面していない。

解答

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