No. 9 平成19年度 特別区I類 事務専門I

問題

国家賠償法に規定する公の営造物の設置又は管理の瑕疵に基づく損害賠償責任に関する記述として、判例、通説に照らして、妥当なのはどれか。

1 国家賠償法に規定する公の営造物とは、国や公共団体の管理する物的施設や有体物であり、直接公の目的に供されていない普通財産はこれに含まれるが、河川、湖沼、海浜等の自然公物は含まれない。

2 国又は公共団体は、公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったため、他人に損害を生じ賠償しなければならない場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときでも、この者に対して求償することはできない。

3 最高裁判所の判例では、営造物が他人に危害を及ぼす危険性がある状態にあっても、その危害は利用者以外の第三者に対するそれを含まないので、空港に離着陸する航空機の騒音等によって、周辺住民に受忍すべき限度を超える被害があっても、国の賠償責任はないとした。

4 最高裁判所の判例では、道路管理者が、道路の落石や崩土の危険性に対し、防護柵を設置するとした場合、その費用の額が相当の多額にのぼり、その予算措置に困却することが推察できたとしても、それにより直ちに道路の管理の瑕疵によって生じた損害に対する賠償責任を免れることはできないとした。

5 最高裁判所の判例では、未改修である河川の管理の瑕疵の有無については、河川管理の特質に由来する財政的、技術的及び社会的諸制約のもとでも、過渡的な安全性ではなく、通常予測される災害に対応する安全性を備えていると認められるかどうかを基準として判断すべきであるとした。