平成18年度 刑法 裁判所事務官一般職

問題

因果関係の有無に関する次のア~オの記述のうち,適当なものはいくつあるか(争いがあるときは,判例の見解による。)。

ア Aの行為とVの脳にあった高度の病的変化という特殊事情とが相まって致死の結果が生じた場合,Aが行為当時その特殊事情のあることを知っていたか,または予測しえたと認められない限り,その行為と結果との間の因果関係は否定される。

イ 自動車を運転していたBが,過失によって通行人Wと衝突し, Wを自動車の屋根にはねあげたまま,それに気づかずに運転中,同乗者CがWを引きずり降ろし,道路上に転落させたところ, Wが死亡するに至った場合に,その死因となった頭部の負傷が,自動車との衝突の際に生じたものか,路上に転落した際に生じたものか確定しがたいときでも, Bの過失行為からWの死の結果が発生することは一般人ならば経験上当然予想しうるところであるから,その間に因果関係を認めることができる。

ウ Dの暴行によってXの死因となった傷害が形成された場合でも,その後第三者により加えられた暴行によって死期が早められたのであれば, Dの暴行とXの死亡との聞の因果関係を肯定することはできない。

エ 医師の資格を有しない柔道整復師であるEが,風邪の症状を訴えた患者Yに対して,それ自体がYの病状を悪化させ,ひいては死亡の結果を引き起こしかねない誤った治療法を繰り返し指示し, これに忠実に従ったYが,病状を悪化させて死亡するに至ったとしても, Yに医師の治療を受けずにEの指示に従った落度があるから, Eの行為とYの死亡との聞には因果関係が認められない。

オ 殺意をもって麻縄で首を絞めると, Zが身動きをしなくなったので,死亡したものと誤認したFが,Zを海岸の砂上に放置したところ, ZがFにより首を絞められたことと自ら砂末を吸いこんだことにより死亡したときは, Fが首を絞めた行為とZの死亡との聞には因果関係が認められる。

1 1個

2 2個

3 3個

4 4個

5 5個

解答

1