平成10年度 政治学 国家一般職

問題

国家の機能に関する次の記述のうち,妥当なものはどれか。

1 18世紀から19世紀にかけて成立したいわゆる夜警国家は,市場における自由競争による秩序形成機能を重視し,経済の領域においては国家の介入を極力避けていた。それに対して,治安などの面では警察力による積極的な介入で治安を維持しており,政治の領域においては国家による社会の管理が重視されていた。

2 18世紀から19世紀にかけて成立したいわゆる夜警国家においては,国家の役割は対外的な防衛と国内における治安の維持に集中していたため,新たな法律を制定する必要性はあまりなく,国家は既存の法律を前提とした法執行を中心として活動していた。そのため,この時期の国家を司法国家と呼ぶことがある。

3 福祉国家の形成とともに,社会における様々な問題に対処するための施策を国家が積極的に展開していくようになった。そこでは,多様で複雑な政策を法律として制定してゆく必要性が増し,議会における立法活動が量的に拡大し,質的に向上することとなった。そのため,この時期の国家を立法国家と呼ぶことがある。

4 20世紀における福祉国家の形成は,社会を統合し,秩序を維持するために国家が様々な領域に介入せざるを得なくなったことを反映している。それに伴って,社会の諸勢力の期待や要求が国家や政府の行動に対して影響を与えることになり,国家と社会の区別は夜警国家の時代に比べて不明確になった。

5 福祉国家の時代に「大きな政府」が形成されたが,近年では民営化や規制緩和などの手法によって再び「小さな政府」に向けての改革が行われるようになった。これは政府活動が量的に拡大したことによる負担の増大への反発による,より安上がりな政府を求める改革であり,社会に対して政府が関与する領域を縮小しようとするものではない。

解答

4