問1 午前Ⅱ 平成26年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験

[mathjax]

問題

IPv6が利用できるネットワークに接続したPCにおいて、二つのIPv6アドレスが割り当てられていた。

(1) 2001:db8::b083:ba94:60c7:7c36

(2) fe80:200:c0ff:fea8:2

このうち、(2)はリンクローカルユニキャストアドレスである。この説明として適切なものはどれか。

ア 下位のビットにこのPCのIPv4アドレスを埋め込み、IPv6アドレスとIPv4アドレスを関連付けて管理を容易にするアドレスである。

イ グローバルユニキャストアドレスが取得できなかったときだけに有効なアドレスである。

ウ このアドレスを使った場合、パケットはネットワークには送信されず、自分自身のPC内で動作しているプログラムとだけ通信できる。

エ このアドレスをもつネットワークインタフェースからルータを介さずに直接接続できる相手との通信にだけ使用できるアドレスである。

解説

アは射影アドレスのことです。なお、同様の機能を持つIP互換アドレスは既に廃止されています。

射影アドレスは先頭が全てゼロです。例えば32ビットのIPv4アドレスが234.124.123.1であった場合、射影アドレスは以下のようになります。

0000:0000:FFFF:234.124.123.1

先頭の64ビットが全てゼロで、その次にFFFFという32ビット領域があります。その後にIPv4アドレスの32ビットが来ます。

既に廃止されたIP互換アドレスでは、FFFFの部分が0000でした。つまり、

0000:0000:0000:234.124.123.1

のように使われていましたが、現在は射影アドレスの方を用います。

イは未指定アドレスです。グローバルユニキャストアドレスとは、全世界でただひとつ(ユニーク)のアドレスです。それが既に他で使われているなどの理由で取得できなかったとき、アドレス未取得として未指定アドレス0:0:0:0:0:0:0:0が割り当てられます。つまり全てゼロです。これが割り当てられたノード(PCなど)はグローバルネットワーク(インターネット)へアクセスできません。

ウはループバックアドレスです。localhostやIPv4でいう127.0.0.1が該当します。IPv6では0:0:0:0:0:0:0:1を用います。簡略表記すると::1です。

エはリンクローカルユニキャストアドレスです。これが正解です。リンクローカルとはグローバルの対比語で、ルータを超えない内側のみのネットワークを指しています。自宅であるならリンクローカルはルータに接続されているホームネットワークで、インターネットを含まないネットワークのことです。

ユニキャストとは一対一の通信のことで、PCから同じリンクローカル内の他のPCと通信するときに使います。

IPv4では192.168.0.1などのアドレスをプライベートアドレスとして用いる慣習がありますが、これとは異なります。IPv4のプライベートアドレスは、DHCPサーバを用意してIPアドレスを割り振ってもらう必要がありますが、リンクローカルアドレスはDHCPサーバなしでルータからIPアドレスを割り当ててもらえます。

そのためリンクローカルアドレスを使う環境ではDHCPサーバとの共存はできません。IPv4でもリンクローカルを使えるよう仕様拡張がなされましたが、あまり利用されておらず、リンクローカルという概念はIPv6の利用を想起させる傾向があります。

また(1)のアドレスはグローバルユニキャストアドレスです。2000:のうち先頭の200がグローバルユニキャストアドレスを意味しています。そのため2001:や2002:で始まっていてもグローバルユニキャストアドレスです。このアドレスはルータを超えたネットワークにアクセスするために持ちます。

解答