問2 午前Ⅱ 平成26年度 秋期 ネットワークスペシャリスト試験

問題

通信技術の一つであるPLCの説明として、適切なものはどれか。

ア 音声データをIPネットワークで伝送する技術

イ 電力線を通信回線として利用する技術

ウ 無線LANの標準規格であるIEEE 802.11シリーズの総称

エ 無線通信における暗号化技術

解説

ア VoIP(Voice Over Internet Protocol)の説明です。VoIPは音声データをIPパケットに格納して伝送する技術のことをいいます。IP電話はVoIPとTCP/IPと組み合わせることによって実現されています。

イ PLCというものは2006年頃は次の通信技術だともてはやされていましたが、今ではすっかり廃れています。PLCとは電力線を通信回線として用いるものです。よってこれが正解です。電源コンセントは家庭用だと100Vですが、周波数は50Hzなので、高い周波数帯域が完全に空いています。そこでそこ開いている周波数帯に情報を載せてしまえば、コンセント経由で情報通信ができるというのがこのPLCです。

一時期は東京電力がPLCを用いて各家庭にブロードバンドを提供するということもやりかけましたが、結局打ち切りになっています。このような主流でない技術を問題の選択肢の一つとして出すならまだしも、問題文の主役として出題してきているのには違和感があります。

実はこの背景には経済産業省と総務省(旧郵政省)との攻防があります。

電力線でブロードバンドを提供できるようになれば、NTTが寡占している情報通信の牙城を崩し、電力会社が主導権を握ることになります。NTTは総務省の管轄ですが、電力会社は経済産業省です。情報処理技術者試験を認定しているのは経済産業省なので、経済産業省としてはPLCを普及させたいわけで、PLCが忘れ去られたり風化してしまわないようにわざわざこのような問題を出しているわけです。

資格試験はそれを認定している官公庁の広報的な側面もあります。「共通フレーム」もその一つです。ソフトウェア開発において共通フレームを使っている企業がどれだけあるか疑問ですが、情報処理技術者試験では好んで出題されます。PLCもその類の出題だと思って覚えておいたほうが、情報処理技術者試験においては役に立つと思います。

ウ 家庭や企業でも用いられている無線LANといえばほぼこれです。IEEE 802.11 a/b/g/nは「WiFi(ワイファイ)」とも呼ばれています。

エ 無線通信における暗号化技術については、ありとあらゆる無線通信において用いられる暗号化技術だと数えきれないほどありますが、無線LAN(WiFi)に限定すれば、AES、TKIP、WEPが挙げられます。WEPは短時間で解読されてしまうので用いることが推奨されていませんが、AESやTKIPを用いれば、現在のコンピュータの処理性能では現実的な時間内での解読は不可能です。

解答