行政書士

資格の概要

行政書士とは総務省が管轄している国家資格であり、試験自体は都道府県が行っています。例えば東京で受験するとその試験の実施は東京都(東京都庁)が行うため、合格証には東京都知事の署名が入ります。同時に総務省が管轄していることから、総務大臣の署名も入ります。

試験の概要

毎年10月の第三日曜日に試験があります。試験は昼過ぎから始まるため寝坊が可能です。試験自体も3時間の一発だけなので負担の軽い国家資格です。司法書士が午前午後に渡るのと対照的です。

仕事の概要

行政書士は「行政」という文字が入っていることから、行政に関する業務が本業であり、行政に対する提出文書の作成が行政書士の主な仕事になります。

ただし、司法書士や弁護士にしかできない業務はできません。例えば不動産の登記や商業登記は司法書士でないとできませんし、法律相談は弁護士でないとできません。

具体的に行政書士ができる業務

たとえば遺言書の作成というのがあります。これが一番稼ぎが大きいでしょう。

しかし、実際に相続の手続きになると行政書士ではできず、司法書士の業務となります。

あとは海外の銀行口座を解説するときに公証という、提出書類(パスポートのコピー)は確かに提出者のものですよとお墨付きを与える手続きが必要なのですが、これは日本では行政書士が行っています。

行政書士の業務を定義するには、これができるあれができるといった箇条書きにならざるを得ません。行政書士ならでは、といった業務がないからです。どちらかというと、司法書士でないとこれはできない、弁護士でないとこれはできない、余ったのものが行政書士ができます、といった定義で業務範囲が決まっていると見たほうがいいです。

受験層

受験資格が定められていないため誰でも受験できます。受験者として多いのは法学部生や社会人になったけど資格取得に興味がある層です。国家資格の中では比較的簡単に取れる方なので、職場で何か資格を取るべき必要に迫られているだとか、法学部に在籍しているけどなにか自分の学力を証明するものとして客観的な証明が欲しいという人は受験します。

行政書士試験に受かったら必ず行政書士で開業する、と考えて受ける人はあまりいないです。私も試験には合格したものの行政書士として登録していませんし、それを使って食っていこうとは思っていません。

自分の実力を知るため、それを形として残すため、自己啓発の一環としての受験者が多いと思います。

20代の人ばかりの資格かと思っていましたが、意外と年齢層が高い資格だと受験して感じました。

難易度

難易度は宅建士試験や日商簿記2級よりは難しいです。私は日商簿記1級よりは簡単だと思ってます。また応用情報技術者試験よりは難しいです。大学の学部生が卒業前に、「一応法律を勉強しました」ということを証明するくらいのレベルといえます。

予備校を使うべきか

行政書士はどちらかというと、独学で合格するような資格です。社会保険労務士があります。独学でやる資格としては社会保険労務士が限界だと私は思っています。

税理士や司法書士は。司法書士は予備校を使うべきレベルです。

私は三ヶ月で独学で合格しましたが、けっこうその三ヶ月はきつかったです。余裕を持つなら半年か、予備校を使うくらいになると1年かける人もいるでしょう。

もし公務員試験の勉強が一通りできている人や、法学部で行政法、民法が得意だった人なら、独学で行けるでしょう。

ですが、法律は完全にこれから勉強する初学者だと最初で躓く可能性があります。完全な初学者であったら、近年の行政書士試験の難易度の上昇をかんがみれば、予備校を使う選択肢もありだと思います。

専業主婦の副業としては最適

行政書士だけで食べていくのはとても大変です。それだけでやっている人は数えるくらいしかいないでしょう。外国人の日本国籍への帰化をサポートしているようなものすごく専門性の高いレベルの行政書士でないと、行政書士で生計を立てるのは難しいです。

ですが、配偶者が働いていて専業主婦をやりつつ何か副収入が欲しいという人にはうってつけの資格です。自宅でパソコン一台あれば開業できますから、そとに出歩かないでネットや郵送だけの手続きだけでも仕事はできます。しかし、その分行政書士としての仕事内容は非常に限られますが、小遣い程度の稼ぎにはなります。

公務員試験と範囲はほぼ同じ

行政書士の試験問題は地方公務員の業務を強く意識して作られています。実際、地方公務員上級職として17年間勤務すると行政書士資格がもらえます。

ですが、公務員試験問題より行政書士試験の問題のほうが難しいです。これはある意味当然でして、公務員試験というのは浅く広く多数の科目を問われる試験です。政治学、行政学、国際関係、経営学、経済学・・・非常に多数にのぼります。

一方で行政書士試験は行政法、民法、憲法、商法が重点的に問われます。特に行政法と民法の比重が高く、実際にこの2科目の難易度は公務員試験よりも高いです。

また公務員試験との違いは他にもあり、公務員試験では商法や会社法が出題されることはほとんどありません。行政書士試験においては商法や会社法というのは軽視されがちで、完全に捨て問にしている人もいますが、私は意外と得点しやすい科目だと思っています。