TOEIC

日本人が大好きな英語試験の一つです。TOEICの受験者は日本を含めたアジアの国が大半を占めており、ある意味とてもローカルな資格と言えます。グローバルとは言いがたい資格でしょう。

TOEICは年10回も試験があり、年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)に試験が行われています。

受験料は5,725円と、民間資格にしては相当安い方です。ですがその分試験時間も短めであり、午後1時くらいから初めて3時くらいには終わる試験です。

国家資格の受験者はまちまちですが、例えばITパスポート試験は税込み5100円であることからしても、TOEICの受験料は極めて低く抑えられていると言えます。

TOEICの問題作成を行っているETSは著名な組織なので、そのETSというブランド力で市民権を得ている資格です。

ETSが運営している資格には他にTOEFLやGMATがあり、この2つはとても有意義な本当の価値がある資格だと思います。ですが、TOEICは多少なりとも商業的な側面があるというか、英語の実力そのものをはかるというよりも、企業や大学生といったより多くの人に受入れられやすい、受験者を大量に確保できるということで運営されている側面が強いと言えます。

TOEICは990点満点であり、リーディングとリスニングしかありません。TOEFLではスピーキング、ライティングもあります。そのためにTOEICは正確に英語力を測定しているとは言えません。

だから、TOEICはしっかり努力さえすれば990点満点は普通に取れます。理系でも取っている人を何人も知っています。やるかどうかだけの違いだったりします。

民間企業に就職するのならTOEICの高得点を取っていることはプラスに働くでしょう。

民間企業ではTOEICだらけです

民間企業に就職を考えている学生ならTOEICを受験することは有意義です。少なからずTOEICを重視している大企業はあります。就職活動が本格化する学部3年生のときなら毎月受験しても良いレベルでしょう。学部2年生の受験結果だと少し就活期には弱いと思います。TOEICの試験結果というのは新鮮さが重要であり、賞味期限は2年とされています。できるだけTOEICの結果を使う直前に受けた方が良いのです。

ですが、公平性を担保するためにある程度の大きい企業だと、内定後かつ内定式のあとに一斉にTOEICを受験させることはよくあります。また入社式の直後にTOEIC受験というところもあるようです。

そして入社後もTOEIC受験は強く奨励されている企業が多いでしょう。大きい企業だとセミナーホールくらいの大きさの部屋があるでしょうから、そこに集めてTOEICを受けさせるということもやっています。これは一般の試験よりも受験料が安くなっており、しかも平日に受けられることがメリットです。土日にTOEIC試験に行くよりも、業務終了後に社内で受験できるよう従業員の負担軽減として実施されている例です。

このように企業ではTOEICをなるべく受けさせるという体制が導入されているため、民間企業で働くというのなら学生のうちからTOEICに注力しておくのは良いと思います。そして民間企業でも号俸というものがあり、級と号で給与が決まっています。この級が上がるときに資格を保有していることが必要とされていることがあります。その資格群の一つにTOEICは必ずあるでしょうから、TOEICで高得点をとっておくと年をとってからの昇進のときに有利です。年をとってからの資格取得は大変であり、それで苦労している40代の人はたくさんいます。なるべく20代のうちに資格を大量に撮っておくことが必要であり、とくにTOEICのような若いほうが有利な資格は集中して20代の間に勉強して結果をだしておくべきです。

大学院試験ではTOEICは冷遇されている

国立大学の多くは、私立大学のように学部からエスカレーターで無試験で大学院というところはあまりありません。私立大学は教育を行うという尊い目的は形だけで、結局は金儲けのために大学を運営しているというところが殆どです。大学院というのは国立の方が環境がとてつもなく良いため、優秀な学生はみんな国立大学の大学院へ流れます。それを阻止するために、私立大学では大学院の入学金を無料にしたりとか、学費を低く抑えたりすることで国立大学への流出を抑えています。その一環として、無試験で大学院へ進学できるというのがあるわけです。

ですが国立大学はそのようなことはしません。しっかり勉強した優秀な学生に大学院に入ってもらわないと困るわけです。だから学部からの進学者と言えど容赦はなく、しっかり大学院入試試験というのを行って他の大学からくる人と同じ試験を受けてもらうのです。公平性を保つためです。その中に英語という科目はほぼ必ず存在しています。

ですが大学院入試における英語は手抜きの傾向があり、大学自ら問題を作ることをやっていることは文系の一部の大学院くらいでしょう。

ほとんどの理系の大学院、そして文系の大学院ではTOEFLのスコアが英語試験の代用として採用されています。つまり英語試験はやらないから、出願時にTOEFLスコアを提出してね、というものです。

だから、もし大学院へ進学することを考えているのなら、早い段階からTOEFLの勉強をしておく必要があります。TOEFLのスコアは一朝一夕には伸びません。TOEICは短期間の対策でスコアが伸びやすいですが、TOEFLは本当に英語の実力がないと無理です。さらにはTOEICは単に日常会話や簡単なビジネスレベルの内容ですが、TOEFLは大学教養課程レベルの内容がでてくるので、英語以外の知識も必要です。英語がいくらできても、ある特定の分野の背景知識がないとほぼ内容が理解できないということも多いのです。浅く広く、様々な分野をひと通り知っているという教養力が必要になります。

センター試験では英検準1級より労力は小さい

TOEICで780点あればセンター試験の英語が満点扱いされることになりました。これは妥当な点数だと思います。センター試験の英語は簡単なので、TOEICでいうと700点台だろうとは思われるところです。

同時に英検準1級でもセンター試験の英語が満点扱いになることになりました。どちらのほうが良いか、高校生から訊かれたら私はできれば英検準1級にしておきなさいとアドバイスしています。

なぜならTOEICというのはスコアに有効期限があり、一生ものではないからです。2年たったらTOEICは受け直しです。

ですが英検というのは取ったら一生もの。どれくらい時間がたっても証明書を発行してくれます。

だから、やるなら一生ものの英検準1級の方が良いでしょう。そして英検準1級の方が高校生が勉強しているようなアカデミックな英語と親和的です。TOEICの英語はどちらかというと俗っぽい英語が多いので、大学受験で扱われるような教養ある評論文からするとどうしてもTOEICは見劣りします。

ですがTOEICの方が楽な側面もあります。なぜなら英検と違って面接がないからです。英検は3級から面接の2次試験がありますから、そういったことも考慮するとペーパー試験だけで終わるTOEICの方が楽です。

公務員試験や実力重視ならTOEFLをやる

TOEICはどうしても民間色があったり、意識高い系な側面のある資格です。しっかり下地から血肉となる英語力を身につけたいのなら、私はTOEFLをおすすめします。難関の公務員試験でもTOEFLの方が評価されます。そしてTOEFLで高得点を取れる人はTOEICでも高得点が取れます。ですが逆は無理です。しっかり英語力を身につけたいのならTOEICよりTOEFLをやりましょう。