税理士

稼げる金額/労力で考えると税理士が一番リターンが大きい

これは特定の人から得た情報ではなく、まったく異なる分野で働いている知人から独立して得た話を総合して得た結論です。

2015年現在においては、明らかに弁護士、公認会計士、弁理士なんかよりも、税理士が圧倒的に大金を稼ぐことができ、さらにそのための労力も少ないため、リターンは最も大きい資格だといえます。

公認会計士のように海外の潮流に振り回されない

公認会計士は仕事内容が世界で強く標準化されている資格です。カタカナでいうとグローバルというやつですが、公認会計士はこの性質が強いため、海外の公認会計士資格を持っている人が、日本語にとても長けている場合は日本の公認会計士にとって脅威になります。

なぜなら、会計基準というのは法律ではなく、単なるルールだからです。

法律というのは国会を通さないと成立しないため、これは国家の主権の問題であり、海外からの押し付けでは法律は成立しません。その法律の中でも、必ず国会を通さなければならないもの、それは実は税に関するものです。

税に関する決定権というのは、専制の民主化の過程で、刑罰の決定や司法権に先立ってまっさきに議会が取り上げたものであり、税というのは国の最も主権にかかわるところなのです。

だからEUは金融は統一されていますが、税は統一されていません。金融の統一とはすなわち、中央銀行の統一であり、金融政策や通貨発行を行う欧州中央銀行があることを意味しますが、税、すなわち財政は統一されていません。だからユーロ問題になっているわけです。

このように、税というのは国民の財産を取り上げるということですから、必ずその国で決めなければならないものなのです。

ですが会計ルールというのはそういうものではありません。日本の会計基準は完全に米英の影響を受けていますし、日本の金融機関は比較的健全であったにもかかわらず、米英の金融が不全であったがために、バーゼル基準なる銀行の資本規制を受けることになったのです。これは日本の国会を通過していません。通過させなくとも有効なのです。

だから会計ルールというのは米国だろうと日本だろうと一緒です。単に科目名が日本語か英語かだけの違いであり、やっていることは同じなのです。

ですが税は根本的なルールから全く違います。単に税率の違いではなく、日本の税法のルールというのは本当にガラパゴスです。

これは逆に、日本の税理士が米国や欧州の税理士に仕事を奪われないことを意味します。たとえ日本語という大きな壁を彼らが越えてきたとしても、日本の税法を修得しなおさなければならないというさらに大きな壁が待ち構えています。

税を世界で統一化しようという議論はあります。ですが、声掛けだけであってまったく進んでいません。EU内部ですら進んでないのです。国というものが別々で存在している限り、税制が統一されることなんてほぼありません。あるとしても数百年後でしょう。私たちが生きている間はそんなことは実現しませんから、海外の制度に振り回されてコモディティ化されて、買い叩かれている公認会計士よりも、日本の特殊なグローバルではないローカルな税制に支えられている税理士のほうが稼げている理由はここにあります。

税理士は法律資格

税理士は会計資格に分類されていますが、実際は法律資格としての側面が大きいです。なぜかというと、税理士試験合格に必要な5科目のうち、必須の簿記論・財務諸表論2科目は比較的簡単であり、合格率も10%を超えているなどとても楽なのですが、残りの税法3科目が鬼門なのです。

この3科目のうち、選択必須科目という法人税法・所得税法、さらに相続税法が難関であり、ここで足踏みして5年たっても受からないという人がわんさか居ます。司法試験でいったら2次試験の論文試験で足踏みしているのと同じです。

この税法3科目は半分が計算であり、半分が理論、つまり条文丸暗記なのですが、この丸暗記の部分でつまずいている人が多いのです。結局、法律を覚えているかどうかのところで差がついているのであり、この比重が重い税理士試験は法律試験と言えます。

税理士の仕事は始まりと終わりがない

税理士というのは特定の切れ目がない連続的な仕事です。年一回の決算のとき、四半期ごとの決算のときなど、締め日はありますが、企業や個人事業主というのは常に取引をしているわけですから、土日であってもありとあらゆる相談があり、対応しなければならないわけです。それは個人事業主ほど顕著になり、企業ならもう業務終了後の時間であっても、「こんな金融商品買ったんだけどどう会計処理すればいいかな?」という問合せはいくらでも来ます。

さらに、会計処理には税効果会計というものがあります。この税効果会計は、一時差異が解消される時期が将来にあります。このように、そのとき限りで完結する会計処理だけでなく、将来の不特定の時期まで継続する会計処理もあるのです。だから、将来いつかその会計処理のクローズ処理をすることは常に頭のなかに入れておかなければなりません。

この反対の特性をもつのが例えば司法書士です。司法書士は仕事のオープンとクローズが明確であり、一度クローズしたら税効果会計のようにいつまでも後に引きずることはありません。登記の依頼を受けたらオープン、登記を完了したらクローズなのです。つまり司法書士は一つ一つの仕事を数え上げることができますが、税理士は依頼人ごとに将来ずっと続く1つの仕事というイメージです。

だから、仕事を一つ一つ目に見える形で積み上げて経験を積みたかったり、一つ仕事を終わらせたらその仕事は忘れて新たなしごとにどんどん着手していきたい人には税理士はあまりむいていません。終わりがない、ずっと長く続く付き合いをこなしていく力が税理士には必要です。

ウェットな付き合いが好きな人に向いている資格

ここでは税理士として独立して開業することを前提で記載します。税理士の仕事というのは顧客ととてもウェットな付き合いになります。というのは、会計の記録方法というのは顧客の好き勝手なローカルルールでやってることが多いからです。

しかも会計処理というのはクセがあるので、このお客さんはこういう傾向がある、こういうことをしたがる、というのに慣れておかなければなりません。しかも業務上の取引があると、その都度、こちらの都合に関係なく連絡してきます。土日だろうが、事務所を閉めたあとの夕刻だろうが関係ありません。

だから家族ぐるみでの親密な付き合いになりがちなのです。そして事務所をひらくとなると、その地域の人をお客さんにすることになるため、自然と地元では知られた人になります。仕事は仕事、休日は仕事は関係なくまったく別のプライベートな日、という切り分けはできません。だから、お金を稼いでも高級車なんて乗り回せませんし、税理士によっては地元の人から陰口を叩かれて精神科に通っている人もいます。

だから、仕事は仕事とわりきってドライな働き方をしたい人にとっては、個人事務所を開いて税理士をするという働き方はあまり向いていません。勤務して税理士をするのならそういったことはないので、普通にどこか就職して税務をやるほうが向いています。

地域に根ざしたしがらみのある閉塞社会

税理士は個人で開業しようとするとその地域の税理士会に入る必要があります。さらに税理士会は支部に分かれており、この支部というのは各税務署に対応しています。つまり支部の管轄範囲は税務署の管轄範囲と同じなわけです。

そして支部の活動として税務署の人との親睦会などがあります。ゴルフや将棋などの部活もあります。こういったものに入らなくてはいけないわけです。これは田舎に行けば行くほど濃厚な付き合いになります。

そして税理士というのはお客の取り合い合戦なので、他の税理士のネガティブキャンペーンをやったとか、他の税理士から目をつけられると支部にチクられます。そうするとお叱りを受けたり、仕事を回してもらえなくなったり、追い出されたりするわけです。

だから税理士というのは独立開業して自分が大将、というわけにはいきません。同じ地域で活動している税理士のご機嫌を伺いながら、荒波をたてずにうまく立ちまわっていかなければいけないのです。これはサラリーマンと同じですね。

そして支部ごとの集まりがウェットなので、当然年功序列はありますから、平均年齢60歳という税理士界において自分が年功序列の上に行くのは相当先の話になります。その間は民間企業とおなじように上司の顔をたてるという働き方をすることになるのが税理士です。

なので税理士はマイペースで自分の好きなように働けるというのからは遠い職業です。弁護士や公認会計士、司法書士とはそこが違います。

これを避けたいなら都内のように、人の入れ替わりの多い大都市圏に行くことをおすすめします。東京であっても都下のように田舎だと同じようなしがらみがあります。特に山手線の内側の都内だと、部活に入らなくてもよかったりとか、集まりに参加しなくても別に良かったりとか、かなり気楽に支部が運営されているようです。その分、都市部というのは税理士が大量にいるため仕事を取ることは難しくなります。価値観に照らし合わせて、人付き合いが楽な方が良いのか、顧客を取るのが楽な方が良いのか、選択をする必要があるでしょう。

臨床心理士にかかる人が多い税理士

知り合いに臨床心理士の人がいますが、税理士のお客さんが多いようです。臨床心理士というのは国家資格ではないので医師としての医療行為はできませんが、なんとなく話す相手が欲しいという患者さんのための話し相手になるという資格です。

その患者さんの多くは近所からの見る目で病んでいるようです。あの夫婦は税理士であんなに稼いでいて、という僻み妬みを受けているものが多いようで、つまりは嫉妬で近所から嫌がらせを受けているというタイプです。田舎ならありそうですが、都内での話をきいたので都市部でもあるようです。

なので税理士というのは目立たないようにしなければなりません。稼いでいても高価な車に乗れないというのはよく聞く話です。そういった車に乗っていると顧客や近所からの印象が悪くなるからです。

税理士法人や企業で税理士をしている人は関係ありません。個人相手に仕事をするとなると、どう見られるかというのも気にしなければならないのです。

私の知人に議員がいますが、その人達が乗っている車はほんと質素な車です。まったく高級車の類ではありません。なぜなら車で有権者の挨拶に回るときに印象が悪くなるだけだからです。税理士は議員よりも稼げると言えますが、お金の使いみちには注意する必要があります。

試験はこつこつ努力型の人に向いている

税理士試験は科目合格制を採用しています。税理士試験には様々な科目がありますが、ある科目に受かったらそれは一生ものです。全部で5科目合格すると税理士試験に最終合格となり、税理士になる資格を得ることになります。極端な話、毎年1科目合格することを目標にして五カ年計画で税理士試験に臨んでも良いわけです。

実際のよくある合格パターンは、初年度に必須科目である簿記論と財務諸表論にダブル合格する、次の年に税法科目を1科目か2科目とる、その次の年以降は残りの科目を全部合格するように頑張る、といった流れです。

そうすると、4科目だけ合格して最後の税法科目1科目でずっと足踏みするというひとが続出します。そうすると5年も7年もずっと受からないという人が出てくるのです。

だから税理士試験というのは長期戦です。短期間にすっぱり決めてしまうものというより、ある程度地道に取り組んでいくべきものです。少なくとも3年は覚悟しておいたほうがいいでしょう。

これは逆に、社会人でも有利といえる資格です。実際税理士試験合格者というのは、公認会計士試験よりもはるかに高齢であり、社会人年齢の人がほとんどです。

受験資格は大卒+経済系科目履修、日商簿記1級、全経簿記上級のどれか

在学中の大学生は、経済や会計系の単位数を一定以上取っていると、学部卒業を待たずして受験資格を得ることができます。税理士試験を受ける人のほとんどが経済学部や商学部でしょうから、在学中に受ける人はこの制度を使う人が多いでしょう。

その単位を取る前から受けたいという人は日商簿記1級を取る必要があります。または全経簿記上級でもOKです。日商簿記1級と全経簿記上級だと、全経簿記上級の方が問題が素直であり簡単です。日商簿記1級は、特に商業簿記でひねった問題が多いので、気がつかないと点数に結びつかなかったりするので運の要素が大きくなります。全経簿記は努力した分だけ単純に結果に跳ね返ってくるので難易度が低めです。

ちなみに日商簿記1級は全経簿記上級に該当し、日商簿記2級は全経簿記1級に対応するなど、一つだけ級がずれています。さらに言えば、若干全経簿記の方が簡単です。つまり、日商簿記1級>全経簿記上級>>>日商簿記2級>全経簿記1級のような難易度になります。

また在学中に1科目だけでも経済系の科目を取っておくと、卒業すれば税理士試験の受験資格が得られます。この場合は卒業することが必要です。

在学中に税理士試験を受けたいなら、全経簿記上級を取るのが一番手っ取り早いと言えます。卒業後に受験資格を得るのでもよいのなら、一科目だけ経済系科目を履修しておくのが一番楽な道です。

理系の人は在学中に教養科目で経済学を取っておくと楽

特に理系の人だと、学部で在学中に経済科目の単位数を満たすのは困難です。だから全経簿記上級を取って受験資格を得てしまうことをおすすめします。また在学中に興味がなくても、社会人になってから目指すときのために、在学中に一科目だけでも経済系の科目を履修しておくことをおすすめします。理系であっても、1科目だけでも経済系の科目を履修していれば税理士試験の受験資格が得られるのです。

ですがその科目が経済系の科目に該当するかどうかは国税局が判断します。大学から卒業証明書と、成績証明書をとって、さらにはその科目がどんなものであるかの詳細(いわゆるシラバス)を添付して送付しなければなりません。はっきりいって面倒ですが、日商簿記1級を取るよりかは遥かに楽です。

経済系の科目は「経済原論」、「マクロ経済学」、「ミクロ経済学」の名前が付いているものが確実です。「計量経済学」、「時系列分析」、「動学マクロ経済学」、「ゲーム理論」なども経済系の科目ですが、少し微妙だと思います。特に大学を卒業したあとで科目を履修することはできないので、在学中に「この科目なら確実に税理士試験受験資格が得られる」という確証のもてる科目を選択しておきましょう。理系なら教養の科目として経済の科目が必ずあるはずですから、1科目だけでいいので取っておくべきです。そうすれば将来税理士を目指したくなったときにスムーズに受験に入れます。

公認会計士を目指している人が練習として受験する

実は公認会計士を目指している人は、学部1年から予備校の勉強を初めている人が多く、この人達は勉強がてら日商簿記1級も取っています。そして税理士試験の簿記論、財務諸表論も受験しています。これは税理士になるためではなく、演習目的と、ある程度小さな結果を積み上げたほうがモチベーションが維持されてやる気に繋がるから受けるというものです。早い人は学部2年生で受験しています。このようなタイプの人は日商簿記1級を受験資格として税理士試験を受けるようです。

国税三法か消費税法を選択すること 一度全科目合格しちゃったら科目は変えられません

税理士試験は簿記論財務諸表論が必須科目です。そしてこの2科目は真っ先に皆取りに行きます。この二科目の合格率は高いです。毎回3割以上受かっています。受かったら一生ものですから、税理士を目指す人はまずこの2科目をしっかりとりましょう。

そして問題は税法科目3科目です。これが税理士試験の難関であり、多くの人はここで多浪しています。

受かることも重要ですが、科目の選択も重要なのです。

まず個人を相手にしないで法人相手に仕事をしたい場合は、法人税法が必須です。法人税法を持っていないと、それだけで法人としての税務、つまり大企業の税務をするキャリアは絶たれます。

次に相続税法をもっていないと個人を相手に税務をするというキャリアが絶たれます。信託銀行もそうですが、一番儲かるのは相続なのです。これは司法書士でも同じでしょう。相続ができない税理士は稼ぎようがありません。相続税法は事実上必須です。

そしてのこり1科目を消費税法にする人が多いのですが、私は所得税法を勧めます。

なぜなら、所得税法をとればいわゆる国税三法という古典的な科目選択で合格することになり、税理士の間では最高の合格者になるからです。国税三法で合格した人にケチをつけられる人はいません。

さらに、消費税法というのは分量が少なく、短期間で合格基準まで達してしまうため、1つケアレスミスしただけでも合否が危うくなるほど高得点を競う試験です。つまり合格ラインまでの遊びが少ないのです。

その点、所得税法は分量がとても多く、満点を取ってくる人なんてほぼいません。つまり、合格ラインから満点の間の遊びが大きく、何問かミスってもそれだけで即不合格になることはないのです。

だから勉強量は所得税法の方が多く大変ですが、それさえ乗り越えてしまえば所得税法の方が受かりやすいといえます。もう何を勉強したらいいのかわからないほど消費税法を勉強しているのに3年も受からないなんて人は大量にいますから、そうならないためにも私は所得税法をおすすめします。

出身大学は関係なし マーチや高卒が多い資格

税理士試験は高卒の人がとても多い資格です。大卒だとしてもマーチや日東駒専レベルの人が多い資格と言えるでしょう。

税理士試験を受けずに税理士になる人がとても多く、その人達は国税OBというものです。税務署に長く勤めると税理士資格を貰うことができます。多くの人はその税理士資格で第二の人生を歩み始めます。だから税理士の平均年齢は60歳ととても高いのです。

そして税務署というのは高卒の公務員がエリートコースであり、出世するメインストリームなのです。これは大卒、特に東大法卒がキャリアとしてトントン拍子に出世する財務省や経済産業省などの官庁とは異なるところです。税務署では大卒はむしろ出世コースからはずされるという世界です。だから税理士というのは必然的に大卒の人があまり強くない業界だと言えます。

税理士の世界で一目置かれるというのは、学歴ではなく受験科目です。国税三法に合格していると一定の評価がされます。年齢が上の人だと、昔は国税三法という法人税法、所得税法、相続税法しかなかったので、国税三法で合格していてもそれは普通と思われますが、ここ10年の合格者はいわゆるミニ科目という国税三法以外の科目で合格する人が多いので、国税三法で最終合格すると一目置かれるというわけです。

あとは税理士試験に合格していることに加えて司法書士、司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験に合格していると評価が高くなります。