情報セキュリティマネジメント試験はCBT化で失敗したITパスポートの埋め合わせ

情報セキュリティマネジメント試験はITパスポートと基本情報の間と言われています。

しかし間といっても中間ではありません。限りなくITパスポートのレベルに近い中間です。

つまり情報セキュリティマネジメント試験はITパスポート試験に毛が生えた程度であり、基本情報とは大きくレベルが離れているわけです。

ではなぜITパスポート試験と同レベルの試験を新設したのか。これには理由があります。

 

まずITパスポート試験のCBT化は失敗したと情報処理推進機構は認識しています。

我々受験者側から見るぶんには別に悪くありません。いつでも受けられますし試験地も事前に選べますし合格証書も従前と同じ立派なものです。

ですがCBTにしたことでITパスポートの受験者が激減しました。

この原因については「いつでも受けられるから、いつまでも受けない」と情報処理推進機構が自己分析して公式に発表しています。

これは正しいと思います。いつでも受けられるということは”また今度でいい”を延々と繰り返すことになり、結局いつまでも受けないという状態が続きます。だから受験者がCBTになって激減したのでしょう。

これは情報処理推進機構にとって痛手です。なぜならITパスポートのように簡単な試験は稼ぎ頭だからです。

ITストラテジストやシステム監査のような試験は採点にものすごく手間がかかります。その点ITパスポートや基本情報は100%マークシートなので採点が楽です。

情報処理技術者試験は受験料がすべて同じですが、ITパスポートや基本情報のような簡単な試験種で稼いで難しい試験種の採点にお金をまわすことでなりたっています。情報処理推進機構としても収入をふやすなら簡単な試験に力をいれたいわけです。

難関国家試験なら普通は実施側はどんとかまえて「受験受付中!」なんて広告はいれないのですが、情報処理技術者試験は「締切間近」とか「受付中!」というロゴを毎回だしていますね。これは資格試験の質の維持よりも受験料収入を優先しているせいです。

しかもITパスポートは基本情報よりもかなり簡単なので、ITにそれほど詳しくない事務一般職希望の女性も受けに来ます。基本情報はコンピュータ好きの中高生や理系の情報系学生の人がほとんどですからターゲット層がコアすぎて受験者がITパスポートより広くないのです。

ですがCBT化したせいでITパスポートの受験者数は基本情報に負けることになってしまいました。

そこで、CBT化してしまったせいでITパスポートという”ドル箱”を失ってしまった情報処理推進機構が打ち出した新試験がITパスポートと同じく幅広い人を対象にした簡単な試験です。

基本情報や応用情報といったほどまではいかないほどほどの資格試験の方が人気がでるものです。

実際に資格予備校にとって一番儲かるのが簿記、宅建、行政書士といった簡単な資格講座であり難関資格になればなるほど採算が合わないのが実情です。

「幅広い人が受験対象」、「試験は少し勉強すれば良い程度」、「CBTではなく年2回のペーパー試験」にすることによって、CBT化以前のITパスポート試験のようなドル箱の試験をつくるというコンセプトから生まれたのが情報セキュリティマネジメント試験だと言えます。

よって情報セキュリティマネジメント試験の難易度は相当簡単になると予想できます。