学生からの評価は低い情報処理技術者試験

理系の学生、特に情報工学を専攻している学生からは情報処理技術者試験の評価は低いです。この試験は主に社会人になって、職場から受けるように言われて受ける人が多いでしょう。

例えば某証券系総研なんかはほぼ受けるように半強制だった時期があるようですし、某保険会社系SEは入社3年目で応用情報にすら受かってないと相当肩身狭くなると言っていました。

この情報処理技術者試験は法学部生からすると行政書士試験くらいの位置づけでしょう。

行政書士の場合は一応、法律で独占的な業務が担保されているので、何も独占的な業務が与えられない情報処理技術者試験よりは上ですが、「行政書士試験は受ければ受かるよね」といった共通認識があると思います。

ですが、法学部生からしても司法書士試験や司法試験予備試験に合格したらそれはすごいという評価になるでしょう。

一方で情報工学の分野からすると、それに合致する資格は無いと言えます。少なくとも情報処理技術者試験でプロジェクトマネージャやシステム監査技術者、ITストラテジストに在学中に受かったとしても、司法書士や司法試験予備試験ほどの評価には決してなりえません。

あえて司法書士や司法試験予備試験の合格レベルの試験を情報工学系から探すならば、弁理士試験くらいしかないのではないでしょうか。ですが弁理士試験は理系の試験というより法律の試験なので、理系の資格というには抵抗があります。

また難易度で言えば電験一種というとてつもなく難しい試験がありますが、これに受かってもなにか独立開業して稼げたり、就職に有利になるわけではありません。就職するならむしろ電験2種の方が有利なくらいです。

だから、この情報処理技術者試験に合格を、何かのキャリアアップなどに結びつけるようなことはやめた方が良いと思います。完全に自分のための実力測定試験と割りきって、第三者的な実力測定としては使わないようにするべきです。

私はSEという仕事をしたことがありませんが、学生の頃からこの情報処理技術者試験を継続的に受験し続けています。半年に1回のペースで勉強するとなると、良い頭の体操になりますし、他の国家資格のように時間がかつかつではないので良い気分転換になる試験だからです。

ある意味、ひとつの娯楽として受けるくらいが情報処理技術者試験はぴったりだと思います。