マスコミでさえググって実態を調べている情報処理安全確保支援士制度

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私は「情報処理安全確保支援士制度」では日本の情報セキュリティ人材は強化できないだろうと思った単純な理由から、本サイトに手短に批判的な記事を書きました。

そしたら予想以上に注目があつまり、このサイトのアクセス解析をみるとIPAの職員の方も多く閲覧しにきていますし、あとは某公共(?)放送を始めとしたテレビ局や新聞社からのアクセスも多くあります。

ニュースとして「情報処理安全確保支援士試験を創設」と書くのは簡単です。ですがメディアはそれで終わりではなくて、社説などでそれを論評することまでやるのが仕事です。

ですが、「実際のところこの試験制度はどうなの?実効性があるもの?とりあえず資格を作って情報セキュリティ施策を強化してるフリ?」のような実態としてどうなのかということは、ある程度の専門家でないとわかりません。だからネットで調べてるんだと思います。

あとはどちらかというと、当サイトはIPAの情報処理技術者試験を批判的に論評しているからではないでしょうか。

産経新聞や読売新聞のように保守論調のメディアの場合、政府の正しいところは正しいといい、間違ってるところはしっかり指摘するという是々非々で記事を書いていますが、それ以外のメディアは特に「政府のやってることはすべて間違っている。とくに安倍首相率いる自民党のやっていることはすべて間違っている」ということを前提として記事を作成していますので、どちらかというと”政府を叩ける批判ネタ”を探しているようです。

私はそのような安易な行政府批判のために情報処理安全確保支援士制度を批判する論調で記事を作成したわけではありません。このような試験制度では米国の民間資格であるCISSPにすら及ばず、まったく日本の情報セキュリティ技術を強化できないと思ったからです。

私は従前から主張していますが、米国の民間資格を日本人が取得すればいいだけであり、国産の試験は別に要らないという考え方です。今は日本語で米国のIT系試験が受けられますし、わざわざ国産にこだわる必要なんてありません。

この辺のことは理系の学部・大学院で情報科学や情報工学を学んでいた同期のつてがあれば軽く訊いてみるだけでも簡単にわかることです。

結局のところ、蓋を開けてみたら情報セキュリティスペシャリスト試験にぬるい有料研修をつけただけであり、根本的に何も変わっていないというのが率直な感想です。

2016年秋の試験を最後に廃止される情報セキュリティスペシャリスト試験だけでなく、他の情報処理技術者試験も、時間が経つに連れて受験者が減っていく傾向にあります。

これは人口減とかそういった理由ではなくて、合格率が高いうえに一度合格してしまったら一生ものだからです。

だから現在の応用情報も第一種情報技術者、ソフトウェア開発技術者と名前を変えてきています。

情報セキュリティスペシャリストも以前は情報セキュリティアドミニストレータでした。

ネットワークスペシャリストも以前はテクニカルエンジニアネットワークであり、さらに前はオンライン情報処理技術者という名前だったようです。

名称を変更するのは合格者が多くなり飽和してくると受験者が激減して収益が減少するからです。だから受験者が減ってきたら試験名を変更して受験者を一気に増やすといったことを、情報処理技術者試験は以前からずっとやってきています。

名称を変更するとそれまで減少傾向だった受験者数が一気に増えます。そしてまただんだんと減っていきます。ある程度減ってきたらまた試験名称を変更します。その繰り返しです。

私から見たら今回のもその一環にしか見えません。なぜなら情報セキュリティスペシャリスト試験と情報処理安全確保支援士試験の中身は何も変わっていないからです。

さらに有料研修を入れることによって、合格後も一定の収入がIPAに入るようになっています。つまり情報処理安全確保支援士試験にしたことによって受験者が一時的に増え、合格者が増えてきても有料研修があるからランニングコストの対価として、試験名称を変更しなくてもコンスタントに収益があがる仕組みです。

税理士や司法書士のような資格に比べたらあまりにも名称が変更されすぎであり、こんなことではIPAが目標とする「情報処理技術者試験によるIT技術者のステータス向上」といったものを達成することからますます遠ざかっているでしょう。名称の変更によって受験料収入・資格更新収入といった収益を上げることが最優先されているとしか捉えられません。

そのような受験料収入を上げることを目的とするかわりにやるべきことは明確かつ簡単であり、米国の民間資格を日本人が取得できるように支援制度を作る、たったこれだけです。

そういった政府やIPAの痛いところをつついてくれるメディアが増えてくれることが、日本のIT技術を向上させる方向にもっていく最も簡単な方法です。

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