過去問題から始める 教科書は不要
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験に分かれています。
私は午前試験については、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の午前試験は、高度情報処理技術者試験より難しいと思っています。高度情報処理技術者試験というのは例えば情報セキュリティスペシャリストだったりデータベーススペシャリストです。
なぜなら基本情報技術者試験の午前試験は2時間半もぶっ通しであるということ。長時間の試験というのは集中力が続きづらいものです。さらに問題数が80問という多さ。1回の試験時間で解く問題数というのは40~50問が相場であり、80問はえらい多いです。
公務員試験でも教養試験という、基本中の基本の試験は40問です。
だから基本情報技術者試験というのは、他のより難しい高度試験よりも午前の負担が重いと言えます。
しかし、この午前問題の位置づけは足切りです。どちらかというと通過させてくれる方に方向付けされている試験であり、ここで完全にふるい落とす試験ではありません。
午前問題の攻略方法は、過去問題をできるだけ多く解くことです。なぜなら同じ問題が繰り返し出題されるからです。
とはいっても基本情報技術者試験は半年に1回試験があり、過去問題が公開されている平成16年から全部やったとすると20回分もやる必要があります。
合計1600問も解くのは社会人だとかなり厳しいでしょう。
だからとりあえず5年を目安に過去問題を解くことをおすすめします。そうすれば約800問になり、これならなんとかこなせる問題数でしょう。
基本情報技術者試験の合格に教科書は必要ありません。教本や教科書の類は買う必要はありません。
買うべきものは過去問題集です。実際に出題された問題の解説がついている問題集が必要です。
予想問題集を買う必要はありません。問いても時間の無駄です。実際に出題されたものに意味があります。
もし理系かつ情報工学を専攻している人なら、解説がなくてもOKという人がいると思います。そういう人は問題集を買わなくて大丈夫です。公式ページから過去問題と解答をダウンロードできるので、それをやればOKです。
しかし、人によっては解答ア~ウのうちどれが正解かわかっても、なぜそれが正解になるか理由がわからない人もいるでしょう。そういう人は「解説」が絶対に必要です。こういう問題文のときはこの選択肢、といった暗記に頼る勉強法だと基本情報技術者試験でも限界が来ます。
特に午後問題でも限界が来ますので、理解しながら過去問題を解く必要があります。
後ろから解くこと
これは受験上のテクニックです。午前問題は80問出ます。そして最初がテクノロジ系の問題、つまり技術系の問題です。この技術系の問題がほとんどの人からすると難しいのです。
このテクノロジ系の問題を理解するためには、離散数学(情報数学)、論理回路、コンピュータアーキテクチャ、アルゴリズムとデータ構造、オートマトン、待ち行列理論などを理解しなければなりません。
これらは情報工学をやっている人ならかならずカリキュラムに組み込まれているので楽勝でしょうが、情報工学を学生でやってこなかった人や、文系の社会人にとっては厳しいでしょう。
だからここは時間がかかります。それなりにこの分野を勉強している人からしても解くのに多少時間がかかります。
ここでつまずくと後半の時間が足りなくなるのです。
だから基本情報技術者試験の午前問題は後ろから解く。これは鉄則です。
後ろの問題はJIS規格などのルールや法令の問題、または経営学に関するストラテジの問題など、計算の必要のない文章題が中心です。こちらの方が選択肢を素早く絞り込むことができ、かつ同じ問題の繰り返しなので、過去問題をひたすらといていれば即解答できるような問題が多数出題されます。
試験が始まったら後ろの80問目から前に向かって解いていく。これだけでかなり点数は伸びます。情報処理技術者試験は6割得点すれば合格ですから、できるだけ全ての問題を解答するようにすることが重要なんです。前半問題で躓いて全て解答できなかった、となるととても不利になります。
後ろから解いてできるだけ全ての問題を解答するようにしましょう。時間がたりなくて適当にマークシートを塗りつぶすという状況をなるべく減らすことが肝心です。
まとめると、とにかく多くの過去問題を解くこと。教科書や教本はやらずに、過去問題集だけをひたすら解くこと。丸暗記をやめて、解説を読んで理解しながら問題を解いていくことです。